【nana's green tea 2025年福袋】出涸らし茶葉が紙に変身①生まれ変わる工程を見つめる【大阪府泉南市】

 

お茶を飲んだあとの茶葉、皆さんどうされていますか?

お掃除や消臭剤として使ったり、お風呂で楽しんだり、肥料にしたり……いろいろな活用方法があふれていますね!

 

 

2025年福袋では、そんな茶殻を漉き込んだ紙を使用して、オリジナルノートとしおりを作成しました!

 

 

 

紙をよ〜く見てみると、ところどころに茶葉が隠れています!

紙の上に 、黒っぽく小さく表れているかたちが<水出し宇治煎茶>の茶葉。

細い枝のように表れているのが<ほうじ茶>の茶葉です。

 

 

絵柄は「茶の花に包まれるお茶缶」と同じ、チャノキをモチーフとしたデザイン。

ノートを開くと、つながったデザインが現れます。

 

(しおりもノート表紙と同じデザイン)

  

2025年福袋についての前回の記事(1回目, 2回目)では、お茶缶に使われた「越前和紙」を漉いている工房(福井県越前市)からお届けしました。

このノートもnana's green tea オリジナルの「紙」を使っていますが、手漉き和紙とはまた違った、機械によって作られる紙。

今回はそんな紙を作っている大きな工場から、製紙の様子をお届けします!

 

 

お伺いしたのは「山陽製紙株式会社」さんの製紙工場。

大阪府泉南市で、包装に使われるクレープ紙や、廃棄物をアップサイクルしたオリジナル紙を製造している会社です。

※クレープ紙は、細かなひだがたくさんついている紙のこと。細かくしわのように折り目をつけることによって、高い強度を実現します。引っ越しの際に、お皿を包む紙として触れたことがあるかもしれません。

 

 

さて、さっそく、ほうじ茶の茶殻が大きな機械に入れられました。

今回作っていただいた紙には、<水出し宇治煎茶><ほうじ茶>の茶殻が使われましたが、<ほうじ茶>の方が少し茶葉が硬く、大きめですよね。

そのため、先にこの機械に入れて原料と混ぜ、紙になった時に気にならないような大きさに砕いていきます。

ほうじ茶と水が混ざり合って、工場内にほうじ茶のいい香りが広がりました。

 

 

ここに紙の原料を投入!

今回使用した紙は、古紙を原料とした再生パルプです。

手にとってみるとこんな感じ。

 

 

少しざらざらしていて、厚さと凹凸があります。

この原料を水と茶葉と一緒に混ぜながら、ほぐして溶かしていきます。

 

 

ぐるぐるとかき混ぜられていくさまは、大きなミキサーのようですね!

たくさん混ぜ終わったら、次のタンクに移動。

移動中に別の機械を通り、異物を取り除きます。

 

 

大きなタンクに来ました。

ここでは、ゆっくり混ぜながら原料を休ませているのだそう。

 

 

紙に色をつける場合は、この工程で染料の濃度調整などを行います。

今回は真っ白な紙なので、染料の代わりに、ここで<水出し宇治煎茶>の茶殻を混ぜました。

原料同士をなじませてから、次の工程へ。

  

 

もろもろした不思議な原料が上がってきました!

パルプに茶葉が混ぜられたこれが、ノートの表紙やしおりになる前の繊維。

大きなドラム状のローラーに乗せて、ぐるりと回し……

 

 

少し分かりづらいのですが、左側、灰色のパイプから水が出ています。

その水で繊維を洗い、パイプの右側、小さなローラーに繊維を巻き込んで、水気を絞ります。

洗われた繊維はこのあと再び水に戻され、紙にしやすいように薬品などを入れて調整。

そして最後にもう一度、ごみなどを取り除きます。

あとは私たちがよく知る、シート状の「紙」にしていくのみ!

 

 

……ですが、ここで、ちょっと休憩。

たくさんの原料を作るには、時間がかかります。

 

さて、今までの工程でも分かる通り、紙づくりにはたくさんの水が必要です。

たくさんの水に原料を入れ、染料や薬品も入れて……、そうして私たちが普段使っている紙は作られているんですね。

 

 

今回製造をお願いした「山陽製紙」さんでは、そうしてたくさん使う水の排水を、魚が住めるレベルにまで浄化処理する設備を整えているそう。

紙を作る工場から外へ出て、その設備も見てみましょう。

 

上の写真は、排水がまず運ばれる沈澱槽。

汚れを沈澱させて、まずは大まかに水を綺麗にします。

汚れが沈澱した上澄みの水は、ほんのちょっと綺麗になった状態。

これはもう一度紙作りに使用したり、もっと綺麗にするための工程へと進みます。

ということで、再利用しない方の水(綺麗にする水)を追っていきましょう。

 

 

もっと綺麗にするために、次に曝気槽(ばっきそう)へ。

排水に空気を含ませて、水中に住むバクテリアの活動を活発にし、不純物を食べてもらいます! 

工場がお休みで排水のない時は、ここに住むバクテリアたちに、工場長がたまにえさをあげているのだそう。

 

 

バクテリアに不純物をおおかた食べてもらったら、今度は「加圧浮上装置」に運ばれてきます。

また排水に空気をあてて、今度は汚れに空気をまとわせて、水に浮くようにします。

水面に浮かんできた汚れを、すくうように取り除くんですね。

まるで煮物を作るときの、あく取りのような雰囲気です。

 

 

ここまでの工程で、排水はきれいに浄化されています。

それでも汚れが取り除ききれないような場合は、最後の仕上げとして、活性炭で濾過します。

活性炭の中を通すことで、より細かな汚れなどの不純物が取り除かれていきます。

これできれいな水になりました! 

 

(すべての浄化工程をたどってきた水)

 

紙作りは昔から、水が重要な役割を果たしています。

現在においても、手漉き・機械で作られる紙に関わらず、そういった本質は変わりません。

紙は生活になくてはならないものだから、少しでも、環境に配慮して作ったり、使ったり、していきたいですね。

 

 

(工場で作られたたくさんの紙。ロール状になっています。工場の敷地は、甲子園球場ほどの広さがあるそう)

 

今回の記事はここまで!

気になる機械での紙漉きのゆくえは次回の記事にて。 

 

 

 <nana's green tea 2025年福袋>

各店舗でのご購入について詳しくはこちら

公式オンラインストアでも販売します。

 

nana's green tea 2025年福袋。

出涸らし茶葉を使用したノート・しおりは、¥5,000セット・¥8,500セットのどちらにも入っています。

これからひとつずつ商品の紹介をしていきますので、実際の商品と合わせて、nana's journalの記事もお楽しみに。

ひとつひとつの商品が、きっともっと素敵に楽しめますよ。

    

<これまでの特集記事>

お茶缶①:伝説を現代に受け継ぎ、未来へと繋ぐ 清水と技術で作り上げる越前和紙【福井県越前市】

お茶缶②:和紙の手触りを暮らしのそばに 山次製紙所が目指す"「あたりまえ」の和紙"作り【越前和紙】

 

  

 

「山陽製紙株式会社」

公式HPはこちら・公式Instagram(@sanyo_paper

 

 

  

 

pick up

mail magazine